
長寿化のための基本戦略
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200年もつ住宅でなく“もたせる”住宅
将来の住宅像を厳密に予測することは困難ですが、日本においても住宅を大切に考え長持ちさせる技術を現に有しています。イギリスのように、躯体はそのままで内部をリモデルし、活用し、今なお100年超住宅を価値あるものとしつつ流通させることは可能です。住宅の長寿命化を達成するためには、経済合理性を基盤として意識の変化と合わせて、200年もつ住宅ではなく、“もたせる”住宅づくりができる枠組をつくることが、基本的な考え方です。 |
20年×10回=200年と考える
→20年ごとに点検維持補修(バトンタッチリレー方式)
20年毎に点検し、必要なメンテナンスを行うシステムをつくり、それを10回繰り返すことで、200年が可能となります。その時々の所有者が、責任を持って点検し維持補修していくのです。適時適切な維持管理とリモデルが実施されます。 |
住宅のトレーサビリティの向上
定期点検・メンテナンスを普及し、「住宅履歴情報」を整備し住宅のトレーサビリティを向上させ基本戦略を実行する基盤を構築します。 |
住宅をスケルトンとインフィルに区分して管理(ハード面での分離・独立)
住宅をスケルトン(躯体部分)とインフィル(設備・内装)に区分し、耐用年数(designlife)は、スケルトン200年、インフィルは20年に設定します。インフィルは、その社会の変化と生活スタイルからの要求も多く、また耐用年数も短いからです。
(長寿命な住宅のイメージ)
区分 |
性能 |
基準 |
スケルトン |
耐久性 |
適切な維持管理の下で5〜6世代にわたって使用可能
(性能表示劣化対策等級3以上) |
耐震性 |
数百年に1回程度の極めて稀に発生する地震による力の1.5倍の力に対して、構造躯体が倒壊・崩壊しない程度
(性能表示耐震等級3以上) |
点検・メンテナンス |
20年毎点検とメンテナンス・記録・保存 |
インフィル |
居住性 |
20年毎の更新
各部品による更新 |
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定期借家権方式などを導入し、住宅の所有権・使用権を分離・独立させることにより、住環境及び住宅を長期にわたって維持管理していく仕組みを構築(ソフト面での分離・独立)
長期の定期借家権を設定しその権利を、譲渡・転貸を認めることによって、住宅の所有権と使用権を分離・独立させることができます。そうすることで、住環境や住宅を長期にわたって維持管理していくしくみをつくることが重要です。この使用権などの権利保全や流通性を確保することも課題です。
まちなみ維持管理組織とスケルトン保有組織が連携し、まちなみに配慮した住みやすい住空間を培っていくことができます。
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住宅の長期使用を前提とし、かつ促進する金融システムの発展
長期に使用される住宅の供給を促進するためには、住宅金融システムが、土地の担保主義から住宅価値と住環境を重視する基準に転換することが必要です。担保力の把握が実物審査により行われ、それに基づく融資が普及すれば、住宅価値の上昇が取引価格を引き上げ、融資機会・額が増大します。個人は、個人資産として住宅の価値最大化を維持することに腐心し、住宅の長寿命化に寄与することになります。
広く国民の保有する住宅資産が、新たな信用創造をうみだし、個人の消費や投資を増加させ、社会全体の経済活力を増進させることにつながります。
これからの住宅金融は、取得時のローンのみでなく、点検・メンテナンスやリモデルを包含した長期の視点をもって、住宅価値を増進し、住宅の長寿命化を促進するしくみを促進する方向に向かうべきと考えられます。
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「住生活支援産業」への展開・移行
住宅関連産業は、その担うべき領域が拡がり、様々な業態が発展・多様化してきますので、種々の住生活支援サービスを様々な既存住宅産業セクターとの融合と連携をしながら、創出していくべきです。
その中でも、住宅産業の培ってきた力を活用した評価業務は、金融業や流通業とのインターフェイスと位置づけ、育成を図るべきと考えます。
すなわち、これまでの住宅産業は、住生活支援のための新たな産業として発展・変革していくことが大切です。
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