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住宅の長寿命化を実現するための提言


住宅の長寿命化の背景・必要性

高齢社会の到来

日本人の平均寿命は、1950〜55年には64歳でしたが、2004年には82歳(女性85歳、男性79歳)と世界一の長寿国となりました。(World health Report 2006) 急速な高齢化の進展により、生涯の生活設計も長寿命化をベースにしたものに転換する中で、住宅投資の占めるウエイトは大きいものがあります。そして、住宅及び住環境は、個人の活力と創造の源であり、住宅は大切な生活基盤です。 したがって、住宅も人生の長寿命化に対応し、長年にわたって住み続けられることが求められます。また、住宅ストック全体が、住み替えても安心で住みやすいものになることが、選択肢のある社会として重要です。
ライフサイクルコストの制約

平均的勤労者においては、住宅取得費用は一生涯の所得の1/4から1/5にも及びます。住宅寿命が30年では、他の支出が著しく圧迫され、豊かな住生活の実現が阻害されることになります。 日本経済も安定成長期に入り、家計の制約も厳しくなっています。1人あたり国内総生産(名目GDP)は1996年にはOECD30カ国の中で3位(36,846米ドル)であった日本が、10年後の2005年には14位(35,650米ドル)と下降しています。家計の可処分所得も伸び悩み、2001年度291兆円が2005年度には290兆円となり、家計貯蓄率も8年連続低下しています。 1戸の住宅を長く大切に使い、住み替えの場合にも、価値ある資産として適正な評価を得ることが必要といえます。

(参考)日本の国内総生産の対前年伸び率平均と家計貯蓄率

 

1960年代

1970年代

1980年代

1990年代

2000-2005年

国内総生産(名目)

16.8%

13.6%

6.3%

2.1%

0.3%

実質GDP

10.5%

5.2%

3.7%

1.5%

1.7%

家計貯蓄率

15.5%

20.4%

15.5%

12.5%

4.7%

住宅需要の存在

日本の住宅市場の歪みは、既存住宅流通の少なさと賃貸住宅の狭さにあると指摘されています。既存住宅ストックは、耐震性に難があることや、新築住宅に比して質的な格差があることや、質的に良い住宅がきちんと評価されないことなどで、流通市場が未発達な状況におかれているのが現状です。また、賃貸住宅は旧来の借地借家法の負の影響もあって、狭い住空間と高い家賃というストックとなっており、持ち家の代替えを充分に果たしておりません。 したがって、必然的に新築住宅への期待が大きく、世界でも有数な着工戸数を誇る国となっています。政府で推進している、耐震基準を満たしていない住宅(1,150万戸)の建替え・耐震改修が必要であり、また人口動態から世帯数は、2015年4,942万戸でピークをうつまで増加するので、一定の住宅需要がつづくと予測されています。 こうした住宅需要の存在に合わせて、住宅政策を住宅の長寿命化を図る方策に転換することによる果実は、大きなものがあります。これからの10年間に120万戸ペースで住宅の長寿命化を実現できれば、10年後には全世帯の1/4が長寿命な住宅に住めることになります。

(参考)新設住宅着工の各国比較(1000世帯あたり着工戸数)
スペイン

42.7

フランス

12.8

イギリス

7.6

日本

24.8

イタリア

11.7

ドイツ

6.1

オーストラリア

23.7

スイス

9.7

スウエーデン

5.3

カナダ

16.6

ベルギー

9.2

 

 

アメリカ

15.6

オランダ

8.8

 

 

まちなみ・街区づくりの未発達

欧米から帰国すると多くの人が日本のまちなみに落胆します。良好な住宅地が相続等により敷地が細分化されたり、共同住宅が混在したりしています。依然として電線が青い空を区切っています。年を経るごとに、居住環境が悪化しているケースが多くみられます。欧米に比べて緩やかな都市計画法等の規制は、長寿命な住宅にとっては、“場違い“建築の発生の危険性を内在しています。
居住者が時をかけて“住みやすさ”に誇りをもてるまちなみ・街区づくりを図っていくのはこれからの課題です。長寿命な住宅にふさわしい時の熟成とともに、美しくなるまちなみづくりへのシステムや意識の転換が必要とされています。
資源の有効利用

地球環境保全のためにも、限られた資源の有効活用が必要となってきています。多くの資源を海外に依存する日本においては、なおのこと大切に資源を利用することが求められます。

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  (協力:社団法人 住宅生産団体連合会
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  (協力:社団法人 住宅生産団体連合会)

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